おんぶひも

先日、日本に帰国した友人におんぶひもを買ってきてもらった。前に抱っこする形でも使えるすぐれものだ。これまでふさがっていた両手が使えるので、抱っこやおんぶをしながら家事ができて嬉しい。実は左手で赤ちゃんを抱きながら、右手でメールを打つ…というようなことを繰り返していたために、私は左手首をすっかり痛めてしまったのだが、このおんぶひもが救世主となってくれるに違いない。

もし、世の中におんぶひもや抱っこひもが開発されていなかったとしても、おそらく自分で工夫して似たようなものを作っていただろうと思う。母親なら誰もが考える道具なのではないだろうか。

オランダでは抱っこひもは売っていても、おんぶひもは見たことがない。私の感覚からすれば、抱っこひもよりおんぶひもの方がずっと使い勝手がいい。私は以前、アメリカ製のベビースリング（赤ちゃんを袋のようなものに入れ、肩から斜め掛けにする）を使っていたのだが、これだと赤ちゃんが邪魔になって飲食が難しいし、炊事をしたら玉ねぎのみじん切りがスリングの中に入ってしまい、赤ちゃんが泣き出してしまったこともある。

母の素晴らしい味方、おんぶひもを入手してからというもの、毎日マウリッツをおんぶして家事をしている。これで左手首への負担も軽減された。しかし、困ったことに今度は異様に肩が凝る。長時間に至れば、腰にも相当の負担となりそうだ。どんなに便利な道具があっても、子育ては一に体力、二に体力……なのである。