参加者は全部で20人ほどの、こじんまりした集まりだった。ローソクの温かい光に照らされた小さな教会は、小さなマチルダの洗礼式にぴったりだった。オルガンの音で式が始まり、優しそうな初老の神父が式を進めた。皆の椅子の上にマチルダの写真入りパンフレットが置いてあり、そこに神父の言葉や我々の言うべきセリフが書いてある。すべてはドイツ語で私はチンプンカンプンだったが、「Paten(ゴッドマザー)」と書いてあるところでは、発音もよく分からないままに、何度か「Wir Sind bereit」と言わねばならなかった。