2008年5月2日金曜日

アントワープ




ゴールデンウィーク真っ只中の日本と同じく、こちらも女王誕生日やらカトリック関連の祭日やらが連なって、今年は1週間ぐらいの連休になっている。今日は親子3人でベルギーのアントワープに行って来た。

まずはアントワープ大聖堂へ。ここにはルーベンスの「キリストの降架」がある。そう、「フランダーズの犬」でネロ少年と愛犬パトラッシュが凍死する場面に出てくる絵だ。この絵はとりわけ日本人観光客に人気が高く、行くたびに日本人らしき人たちがこの前で写真を撮っている。

「フランダースの犬」を書いたのはフランス-イギリス系の作家で、ホボーケンというベルギーの村が舞台になっている。日本人は皆、この悲しい話が大好きだが(私の友人で「フランダース」と言っただけで涙が出てくる友達もいる)、実は地元ベルギーやオランダでは誰も知らない。まあ、ネロ少年が村人にいじめ殺される話なのだから、地元で人気がないのは頷ける話だ。一説には「ネロ少年は15歳にもなりながら自活できなかったのか」という西洋らしい批判も不人気の背景になっているという。

しかし、日本人観光客から「フランダースの犬」ゆかりの地に関する質問が相次いだので、ホボーケンには1986年にネロ少年とパトラッシュの銅像が建てられたという。1986年といえば、日本経済がバブル絶頂期に向かって上昇気流にあった時期。たくさんキャッシュを落としていってくれる日本人観光客は一目置かねばならない存在だったのだろう。今となっては懐かしい時代である。

アントワープ大聖堂の後はカフェでベルギーワッフルを食べ、そのあとはショッピング街でアントワープ・モードを楽しんだ。明日、友人の結婚式に来ていくブラウスや地元のチョコレートを買って大いに満足した。アントワープはアイントホーフェンから車で1時間足らず。高速道路の整備具合などはオランダが勝るが、買物と外食の楽しさは断然ベルギーの勝利。もっと頻繁に訪れたいところだ。

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