2009年9月21日月曜日

はじめての別れ















以前、近所に住んでいたドイツ人ファミリーがドイツに引っ越してしまってから早2ヶ月。意外にも早く再会の日がやってきた。ご主人のアレキサンダー氏がオランダに出張に来たついでに、一家4人で家に遊びに来たのだ。4歳の女の子と2歳の男の子がいるファミリーで、彼らが滞在した3泊4日、家はとても賑やかになった。

子供たちが夜ちゃんと寝てくれるかどうか、潔癖症のハームの機嫌が悪くならないかどうか……など、彼らが来る前はいろいろと気を揉んだのだが、子供たちは思ったよりお行儀が良かったし、ハームも愛想はないもののあからさまに機嫌の悪い様子を見せたりはしなかったので、私もこの4日間、忙しいながらもとても楽しいひと時を過ごした。

いちばん楽しんでいたのはもちろん子供たちだ。近所のほかの子供たちも誘って、皆でりんご狩りを楽しんだり、農場を見に行ったり……いいお天気に恵まれて最高にヘゼリグな週末だった。マウリッツはお友達が泊まりに来るという初めての経験をして、心なしかまた少し成長したように見えた。

そして日曜日。4歳の女の子ソニアは、もう別れが何を意味するのかを知っており、車に乗り込む前から目を真っ赤に腫らして泣いていた。ほかの小さい子供たちは、一家を乗せた小さなプジョーがクラクションを鳴らしながら行ってしまうのを「バイバーイ!」といいながらあっけらかんと見送った。

皆が帰った後の家は、しーんと静まり返っている。私が何気なくピアノをぽろんぽろんと弾いていると、マウリッツはそれをソファーの上で静かに聴いていた。しばらくして私がマウリッツの方を見ると、随分としんみりして泣きそうな顔になっている。「マウちゃん、どうしたの~?」と聞くと、いきなり「わ~ん」と泣き出した。どうやら、静かな家に帰ってきてから、寂しさがこみ上げてきたらしい。初めて経験する友達のお泊り。そして別れの寂しさ。2歳の子供には分からないだろうと思っていたのだが、ちゃんと分かっていたのだ。楽しいこと、辛いこと、これからたくさん経験して大人になっていく。

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