2012年2月8日水曜日

幻のスケートマラソン

1月下旬まで暖冬だと言われていたオランダは、1月末から急に冷え込みがきつくなり、今週は零下20度まで下がる日もありました。こんな日が続くと、にわかにオランダ人はそわそわし始めます。「11都市スケートマラソン」(エルフステーデントフト)への期待が高まってくるのです。
「11都市スケートマラソン」は、オランダ北部フリースランド州の11都市を巡る200キロメートルの水路をコースとする、世界最大のスケートマラソン大会。コース全域で自然の氷が15cm以上張ることが開催の条件となっているため、本当に寒い冬にだけ実現します。この大会が始まったのは1909年ですが、これまでに開催されたのはわずか15回。直近では1997年が最後となっています。

今年は15年ぶりの開催なるか……と、オランダ国民が固唾を呑んでこの一週間の天気を見守っていましたが、今日の夜8時に「王立フリースランド11都市協会」の記者会見で、残念な結果が発表されました。「11都市スケートマラソンはありません。コースの大部分の氷が十分な厚さでないからです」

ほとんどの家庭で見られている夜8時の「NOSニュース」では、ユーロ危機もシリア情勢も差し置いて、この記者会見の様子が生中継で延々30分放送されました。心なしか、キャスターや特派員、そして天気予報のお兄さんまでもが落胆しているように見えました。地元フリースランドではすでに観光客用の土産物を増産したりしていたので、損失も出ているようです。

天気予報によると、今週は週末にかけて気温が上がり、日曜日には0度以上になるのだとか。2月も中旬にかかり、もう春はすぐそこまで来ています。ただ、11都市スケートマラソンの開催日でこれまでに一番遅かったのは2月26日。これからグッと冷え込むことがあれば、まだ開催のチャンスはあるのです。こんなに寒い冬はもう勘弁と言いたいところだけれど、この幻のスケートマラソン、一生に一度は見てみたい気がします。

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